言葉で聞かせて
第5章 再発
『いらっしゃいませ。ようこそ、ホストクラブ「ange」へ』
「せ・い・や〜!久しぶりっ」
「お久しぶりです」
席に着いた瞬間に指名して頂いた女性が僕の腕に腕を絡ませた
柔らかい胸が腕に当たる
なんだか久しぶり
女性……なんだ……
その柔らかさに最近久しかった記憶を蘇らせつつ話す
「随分お店にいらっしゃいませんでしたが、何かお忙しかったんですか?」
「そーなの!聞いてよ〜」
始まったのは上司の愚痴話
セクハラ、パワハラ
そういったことでストレスを感じてそれを癒してもらうためにホストクラブを訪れる方は少なくない
「それは、大変でしたね」
「でしょ?でしょ?だから撫で撫でして〜」
可愛らしく甘えてくる姿に頬が緩む
「はい。お疲れ様でした」
「はぁ〜〜この瞬間のために生きてるわ、私」
「ふふっこれくらいいくらでもしますよ?」
「んーー……」
目を細めていた女性はすぐにその眼に妖しい光を宿す
「今日、アフターは?もう予約入ってる?」
来ちゃったか
なんて、失礼なこと思っちゃいけないな
「いえ、初めてお誘い頂きました」
「ほんと?今日いい?」
「えぇ、もちろん」
「やったぁ!楽しみにしてる」
「はい」