言葉で聞かせて
第5章 再発
「俺らのこと好きになるのかわかんねぇように、お前のこと受け入れてくれるかも、わかんねぇだろ」
俺の考えたことをようやく察したのか、悠史は小さく「ぁ……」と声を漏らした
そして胸ぐらを掴んでいた俺の胸元に手を置くと、お返しだと言わんばかりに力いっぱい胸ぐらを掴み上げられた
「っぐ……」
「そうだね。やってみなきゃわかんないよね」
「あぁ」
俺をまっすぐに見る悠史の目は決意に溢れている
「勝負だよ、敦史」
「負けねぇよ」
「僕だって、負けない」
「……」
「……」
しばらく見つめあって、2人でそんなことしてるのが馬鹿馬鹿しくなって笑いあった
「あーそうだ、悠史。仕事に支障きたすのはだめだぞ」
「もちろん。開き直った今なら、上手くやれるよ」
「そうか。とりあえず帰るか。最近千秋が寂しそうにしてたからよ」
「うん。何かお土産でも買っていこう」
悠史はすぐさま携帯を取り出して操作し始めた
「?何やってんだ?」
「千秋さんにメール。何か好きなもの買って行って謝ろうと思って」
「は!?あいつケータイ持ってんの!?」
「え……?……当然でしょ」
俺千秋のメルアドなんて知らねぇぞ!?