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言葉で聞かせて

第5章 再発


くっそ
帰ったら聞き出してやる!


と気合い入れて俺たちはカラオケの会計に向かった



千秋の『チョコレートが食べたいです』というメールを受けてコンビニでありったけチョコを買って帰宅した

こんなに食べられない、と千秋は驚いていたが、久しぶりに俺たちが仲良さそうに帰ってきたのを見てすげぇ嬉しそうだった


『やっぱり仲良しが一番ですよ』
「ですね」


にこにこ笑いあう悠史と千秋をよそに自分の携帯に千秋のアドレスを登録していた俺は、ふと気になったことを聞いてみた


「そういやさ、千秋はどんな小説書いてるわけ?」
「あ、僕も聞きたいです。僕小説読むの好きなので読んだことあるかも」


自分の仕事のことを聞かれるのはこっぱずかしいのか、千秋は顔をほんのり赤くして俯いている


「教えて頂けませんか?」


とキラースマイルで悠史が千秋の顔を覗き込むと、おずおずとペンネームを書き出した

しょっちゅう本読んでる悠史と違って全く本を読まない俺に名前だけでわかるわけない、と思っていた




「「え?」」


俺でも聞いたことあるぞ
この名前


次のノーベル賞候補って言われてる小説家じゃねぇか?

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