
言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
「すみません……ーー」
今日はもう、やめさせてください
と言おうとしたその時、僕の言葉を遮るように悠史さんが僕を抱き締めた
「ごめんなさい、千秋さん」
「へ……?」
「違うんです。僕が嫌とか、そういうんじゃなくて……その……」
悠史さんが言葉を噤む
「本当に、千秋さんの身体への負担が、すごいものなんです……」
「でもそれはーー」
僕は気持ちの方が大事だって言ったのに
けど、悠史さんは「聞いて」と言いたげに背中を撫でた
「千秋さんは自分が気持ちよくなって人の事まで目が回らないのが嫌だって言いましたよね?僕だってそうです。千秋さんを傷つけてまで、気持ちよくなりたいなんて思ってません」
「!」
そっか
悠史さんも同じなんだ
僕は腕の中にいる悠史さんを抱き締め直す
やっぱり、自分勝手だな
僕って
「……ごめんなさい。何も知らないのに……」
「いえ、頭ごなしに否定するのではなく、ちゃんと説明するべきでしたね」
そう言って仲直り、と僕の首筋に悠史さんがキスを落とす
でも
「……でも、その……方法だけ、教えてもらってはダメ……ですか?」
「!」
「いやっ、あの……っ違うんです……今日じゃなくても、いつか出来るようになるかもしれないじゃないですか……っ」
