
言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
肩越しに振り返って敦史さんとキスをする
舌が口の中に入ってくるような激しいキスじゃなかったけど、離れた直後の唇を舐められて軽く吸われると堪らなく気持ちよかった
「は、ぅん……」
僕に口がもう一つあったら、悠史さんと敦史さん2人とキスが出来るのに
って僕、わがままだよね
そんな事を考えていると、敦史さんと悠史さんがもぞもぞと動いた
「じゃんけんぽんっ」
悠史さんが小さく言うと、にょきっと出した手がちょきとぱーを作る
悠史さんの勝ちだ
でもなんでこのタイミングでじゃんけん?
「やった。僕の勝ちね」
「……まじかよ……」
残念そうな声を出した敦史さんは僕の項にキスをすると、ゆっくりと離れていった
そして立ち上がり、部屋を出る
一部始終を見ていたけれど、なんで突然じゃんけんして敦史さんが出て行ったのか全くわからない
「??」
頭に疑問符を浮かべていると、悠史さんが僕を抱き締め直して笑った
「ふふふっ、今のは千秋さんのお世話じゃんけんですよ」
「お世話じゃんけん……?」
「身体、べたべたですよね?蒸しタオル作りに行ったんです」
あぁ、それで
