テキストサイズ

言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


朝食を終えると、2人はいつも通り出勤するための準備に入る

歯を磨いたり顔を洗ったりはもちろんなんだけど、2人が1番時間をかけるのはホストらしく髪型のセット

敦史さんはなんだかトゲトゲした? 髪型にするんだけど、悠史さんはふわふわした感じになる

僕はほとんどワックスやスプレーなんかは使ったことがないし、普段は鏡を見て整えるくらいしかしたことがないからすごいなぁ、って感心して見てしまう


「よし、まぁこんなもんだろ」
「準備できた?」


スーツも着てびしっと決まった2人の姿は本当にカッコいい


女の子達が夢中になっちゃうのも無理はないよね
こんなにカッコいい人たちが指名すれば自分だけを見てくれるなら、お金くらい幾らでも払っちゃうかもしれない


「じゃあ行ってくるわ」


と声を掛けてきたのは敦史さん

悠史さんは先に玄関に向かっていて、靴を履いている


「あ……敦史さん!」


悠史さんに向かって歩き出した敦史さんを僕は呼び止めた


ネクタイが曲がってる


僕は敦史さんに近づいて少し傾いてしまっていたネクタイを直す


「はい、もう大丈夫ですよ」


顔を見上げて笑いかけると、何故か敦史さんが変な顔をしていた

ストーリーメニュー

TOPTOPへ