
言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
そのまま、特に何か起こるでもなく悠史さんに言われたデートまでの二日間が終わった
変わったことと言えば、2人が全くアフターに行かなかったことと、夜は3人で同じベッドに入ったことくらい
「朝10:00に出発したいのですが、よろしいでしょうか?」
前日、一般家庭が夜ご飯を食べるくらいに帰ってきた2人と一緒に食事をとっていると、唐突に悠史さんが言った
「はい。大丈夫です」
しっかりお仕事も終わらせたし、田中さんに明日は連絡を返せませんって旨も伝えてあるし
準備バッチリ
「寝坊すんなよ?」
「はい!任せてください!」
「こら敦史。いつも寝坊助なのは敦史でしょうが」
悠史さんに注意されて始まった小さな口喧嘩を微笑ましく見守りながら、「あっ」と思い出した質問を投げかけてみた
「あの、明日どこに行くのか伺ってもいいですか?場所によっては、お弁当を作ろうかと思うのですが……」
僕が言うと、敦史さんのほっぺたを抓っていた悠史さんと必死で手を外そうとする敦史さんが同時に僕の方を見て、そしてお互いに目を合わせた
「?」
「「……」」
暫く無言で見つめ合っている2人
