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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


車に乗せられて、到着したのは動物園だった


わぁ……!!!
すごい!!


「大きな動物園ですね!!」


僕が声をあげて喜んでいると、後ろからついてきていた悠史さんと敦史さんに笑われた


「ははっ、予想通り喜んでんな」
「ふふふ、良かったね」


恥ずかしい……


「千秋さん、入りますよ」
「はい……」
「何恥ずかしがってんだよ」
「だって……」


僕の方が2人よりも年上なのに
きっと他の人が見たら弟にしか見えてないと思うんだもん


「千秋さん、他の人の目ばかり気にしてはいけませんよ。僕のことだけ見てください」
「!」


僕のことだけ、って……


「おい、何言ってんだよ。俺のこともちゃんと見てろよ。その辺の男なんか、みんな女に見えるぜ?」
「敦史、それはどういう意味なの?」


悠史さんの優しさに和んで、敦史さんの奇抜な表現に笑わされた


「ふふ、行きましょう!2人とも!」
「はい」
「あぁ」


入場券を買って、中に入ってみると人の少なさにまず驚かされた


平日だからかな

よかった
若い女の人とか多かったら大変なことになってたかもしれないし


ちら、と振り返るとやっぱり数人かに見つめられている敦史さんと悠史さん

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