
言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
でも
「あ?」
「どうかしましたか?千秋さん」
と視線を向けてくれるのは僕にだけ
「いえ、何でもありません!あっ、2人とも見てください!最初は鳥がいるところみたいですよ!」
「千秋さん、待ってください」
「走んなよ、転ぶぞ」
沢山の可愛いくて格好いい動物を見て、僕としては大満足
次の小説の舞台を動物園にしてしまいそうなほど楽しかった
園内のほとんどを回った後、ちょっとした屋台とベンチや机のあるところに僕達は座った
敦史さんと悠史さんが飲み物を買ってきてくれて、僕はお弁当を準備する
フタを開けると
「うわ、すげぇ」
「豪華ですね」
と2人が軽い歓声を上げてくれた
重箱、とまではいかないけれどそこそこ大きいお弁当箱におかずをたくさん詰めて、主食はおにぎりとサンドイッチの二種類
頑張ったから、褒めてもらえて嬉しいな
「食っていいか?」
「はい!どうぞ」
「いただきます」
敦史さんと悠史さんが料理を口に入れるのをじっと見守る
2人にご飯を食べてもらう時にももちろんどきどきしてるけど、今日はリクエスト貰って作ったものだから余計に緊張してしまう
