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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


そして2人が各々リクエストをしたものを口に入れた


「美味っ!!」
「美味しいです!千秋さん」
「!」


やった!
良かったぁ


「たくさん作りましたから、たくさん食べてください!」


2人は僕の言葉通り次々と箸を伸ばしては料理を胃の中におさめていく


あぁ、よかった
頑張った甲斐があったなぁ


「千秋さん、食べないんですか?」
「食べます……でも、なんか……胸がいっぱいで……」


僕がちょっと涙が出そうなのを堪えて笑うと、敦史さんにがしがし、と乱暴に頭を撫でられた


「何言ってんだよ。こんなんでいっぱいいっぱいじゃすぐ死んじまうぞ」
「そうですよ。まだ今日が半分しか経ってないんですから、しっかり栄養つけて下さい」


そうだった
まだあと半日も……ううん、半日しかないけど
でも、体力がなくなったりしたら困るし
ちゃんと食べないと!


「はい!僕もいただきますっ」



奪い合うようにお弁当を食べると、たくさん作ったはずの料理は一瞬でなくなってしまった


「あー美味かった」
「ごちそうさまでした」
「はぁ、お腹いっぱいです……」


僕と敦史さんが一息ついている間に悠史さんが手早く荷物を纏めてくれる

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