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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


でも、次々と運ばれてくる料理たちは僕のそんな悪い考えを一瞬で拭い去ってしまうほど美味しかった


本当に、どれも美味しい……!!


そして残りがデザートのみになると、もう少しゆっくり食べればよかったなぁなんて後悔してしまう

その気持ちを2人に伝えたら


「これからいくらだって来れるだろ」
「千秋さんが行きたいと仰るなら、何度でもお連れしますよ」


って僕を甘やかす発言をされた


でも、僕だってちゃんとお金を稼いでるし……いやむしろ、2人より稼ぐ時もあるし
2人のヒモじゃないんだから、今度は僕が2人を招待できるようにお店を調べなきゃ

出版社のグルメ雑誌出してるところとか、田中さん知り合いいないかなぁ


「お待たせいたしました。こちらがデザートになります」
「わぁ……っ」


音を立てずにそっと机に置かれたお皿の上には、また芸術品みたいに綺麗なデザートが作られていた

淡いオレンジ色のアイスをドーム状の飴細工が覆っている

説明された通りスプーンで飴細工を壊すと、小さく砕かれた飴がアイスに散ってまた一段と綺麗になった


「美味しい……」


口の中で冷たく溶けるフルーツのさっぱりしたアイスに、さくさく鳴る甘い飴が食感的にも味的にもアクセントになっている

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