
言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
視線を戻すと嬉しそうに笑う2人に、もしかしてって思ったことを聞いてみる
「ここに僕を連れてくるために、先ほどから緊張されていたんですか?」
すると2人は目を見開いて、その後少しだけ気まずそうな顔をした
「バレて、ましたか……」
「態度に出過ぎたか?」
乾いた笑いを零す2人に、嫌われてたんじゃなかったんだって心底ほっとする
「ふふふっ、すごく変でしたよ。全然話さなくなりましたし、僕嫌われてしまったんだと思いました」
僕が正直に白状すると、の人も目を合わせて笑った
「はははっ」
「ふふふっ、すみません」
「悪い、千秋」
そして、近寄ってきた2人に優しく抱き寄せられる
「ここまでして、嫌うなんてよくそんな発想できんな」
「そんなこと、あるわけがないでしょう?千秋さん」
上から笑い声が降ってきて、くすぐったい気持ちになった
「あったかいですね、2人とも……」
「「……」」
2人の身体に手を回してみると2人がまた黙ってしまったから不思議に思って顔を上げると、何故かゆっくりと離れて行った
「?」
「千秋さん……千秋さんをここに連れてきた、本当の目的はこの夜景と星空をみせるためじゃありません」
