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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


少しだけ頬を膨らませて視線を逸らした僕を見て、2人はさっきより更に焦って謝罪の言葉を紡ぐ


「いや、違うんだって、千秋……っ」
「千秋さん、あの……バレてしまったら格好悪いでしょう?」
「そーだよ、俺たちにも俺たちなりのメンツがあってだな」
「だから……その……」
「そんなに怒るなよ。な?」


僕の顔色を伺うように覗き込む2人は、なんだか子犬みたいで


「……ふ、ふふっ……」
「「!!」」
「嘘ですよ。怒ってなんかないです」


嘘をついていた僕が耐えられなくなってしまった


「指輪、つけてくれますか?」


僕が改めて手を差し出すと、敦史さんと悠史さんは一瞬目を合わせて心底ほっとしたように息をついた

そして



「やっぱり、お似合いですね」
「あぁ。千秋白いから、シルバーで正解だったな」


2人が僕にくれた指輪は、僕の指をちゃんと測って作ったんじゃないかってくらい綺麗にそこに収まった


すごい
キラキラしてる


女性との結婚なんて未来は全く想像できないけれど、2人との未来なら簡単に思い浮かべることが出来るのが不思議だ


「夜景よりも、星空よりも、綺麗です」


うっとりと指輪を眺める僕に、2人が照れくさそうに笑う

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