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言葉で聞かせて

第13章 言葉で聞かせて


「では千秋さん、僕たちにもお願いします」


そう言って差し出された2人の手は、その身体が商品だと言わんばかりに綺麗に手入れされている

僕がゆっくりと指輪を通すと、悠史さんのすらりと伸びた指にも敦史さんの男らしい指にも、指輪は綺麗に収まった


同じ指輪の嵌った手を見ると改めてその意味が実感できて照れくさい


「ありがとうございます」
「……サンキュ」


敦史さんと悠史さんが僕の手にキスを落とす


「もったいないですね……」
「あ?」
「2人は仕事には指輪つけられないじゃないですか。……ちょっとわがままですけど、悔しいなって……3人で繋がったみたいに思ったのに……」


僕がぽつりと本音を漏らすと、2人が少し驚いた顔をした


なんだろう?

僕がこんなこと言うの珍しいからかな
でも、こんなにすごいことしてもらったのに今夜だけなんて、寂しいよ


2人の指輪が光る手を弄っていると、突然頭上から笑い声が降ってきた


「はっ……はははははははっ!」
「ふふふふ……」
「え?……えっ?」


そっ……そんなに笑うこと!?


動揺している僕を置き去りにして2人は尚も笑い続ける


「流石だな千秋……ははっ」
「僕たちのこと、お見通しなんですね」

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