言葉で聞かせて
第13章 言葉で聞かせて
「??」
もう、何が何だかわからない
そんなに面白いこと言った?
置いてけぼりにそろそろ寂しさも滲んできた頃、悠史さんが僕の指輪を指で撫でながら教えてくれた
「僕たちがこの指輪を外すことは死ぬまでありませんよ」
「えっ」
どういうこと?
オーナーさんや店長さんに許可が取れたってこと?
いやでもホストで既婚って……
意味をたずねようと口を開くと、悠史さんに続いて口を開いた敦史さんに先に答えを言われてしまう
その答えは僕の想像していたものよりもずっと衝撃的なものだった
「俺たち、ホスト辞めてきたんだ」
え
ほすと、を、やめた?
ぽかん、と口を開けた僕を2人が笑う
けど僕はそれに怒っている場合じゃないくらい頭が混乱していた
「ホスト……やめ、た……」
「だから、そうだって。俺たちは、今後女に愛想振りまくようなことはしねぇよ」
「……」
だんまりしてしまった僕に悠史さんが優しく語りかけてくる
「千秋さん?僕たちはもう2度と千秋さんの悲しむようなことをしないと決めたんです。だから指輪を外すこともありせんし、お店に出ることもありません」
「さっきから何回もずっと一緒だって言ったろ」