言葉で聞かせて
第6章 休息?
はい、と聞こえてきそうなほど千秋さんは明るく笑った
するとなぜかその笑顔を見て
「ぇ……!?」
と田中さんが声をあげた
「?」
「なんだよ?」
「……いえ」
とりあえず行きますか、と僕達は家を出てマンションに併設された駐車場に止まっている車に乗り込んだ
名前の知れた高級車に、千秋さんはそわそわしている
運転席に乗り込んだ敦史はそれを見て笑った
「ははっ千秋が緊張してる」
「くつろいで下さいね」
僕達はようやく出発を果たした
都会を抜けて、市街地へ
さらにそこを抜けると海岸線に出る
暫く海岸線を走ると
「お、見えてきたぞ」
「あれですね」
近くの駐車場に車を止めて入り口へと歩いていると、途中に海が見える
その海を千秋さんは目を輝かせて見つめていた
「珍しいですか?」
『久しぶりに見たので。綺麗ですね』
「えぇ」
「俺も久しぶりに見たなぁ。つか昼間はほとんど出歩かねえし」
入り口でチケットを買い中に入ると、最初は近隣の海からとれた魚がいる水槽があった
千秋さんは早速水槽に駆け寄って張り付くように見ている
本当に成人してるのかって疑いたくなるくらい、幼くて
可愛い