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言葉で聞かせて

第6章 休息?


ショーが行われるプールの近くに来てみると、平日だとは思えないほどたくさんの人が集まっていた


「うわ、すげぇ人」
「ほんとだ」
「今日平日だよな?」
「うん。でもお子さん連れのお母さんばっかりだから関係ないんじゃない?」


なるほど、と唸る敦史をよそに空いている場所を探す

最後列から三番目のそこそこいいところに空いているところを見つけ、席に着いた


「みなさーーん!こーんにーちわー!!」


元気に飛び出してきた飼育員さんと、ファンサービスなのか上に跳ねたイルカ

会場からは歓声があがった

隣からも小さな拍手が聞こえたな、と思ったら手を叩いていたのは千秋さん


イルカが飼育員さんの指示通りに技を決める度に小さく手を叩いて喜んでいる


ふふ、可愛い


およそ30分のショーが終わり人がぞろぞろ帰っていく中、敦史が千秋さんに話しかけた


「面白かったか?ーーそうか」


僕も千秋さんに話しかけようと口を開いた瞬間、後ろからかけられた声に止められた


「悠史?」
「……え?」


振り向くと、そこにいたのは昔店に来るたび僕を指名してくれたお客様だった


正しくは元お客様兼元彼女、だ

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