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言葉で聞かせて

第6章 休息?


「……菜摘(ナツミ)……」


茶色いパーマのかかった髪が可愛らしい顔を際立てているその女性は僕たちに小走りで近寄ってきた

僕より頭二つ分くらい小さい彼女は僕と敦史を交互に見上げた


「久しぶりだね、悠史、敦史」
「お久しぶりです」
「……」


敦史は誰だこいつ、みたいな顔してるな
わかんないか
源氏名じゃなくて本名で呼ばれたのに少し苛ついてる感じもするな

結構長かったんだけどね


「こんなところで何してるの?」
「お休みなので、遊びに」
「ふぅん」


菜摘は僕と敦史を見た後、その後ろに隠れていた千秋さんを見た


「誰?その子」
「あのーー」
「おい。こいつは俺らより年上だぞ。お前見た感じ俺らより年下だろ。年上に「子」とか言うんじゃねぇよ」


意外だな
敦史がそんなこと言うなんて

まぁ、本当は呼び捨てにしてる敦史が言えたことじゃないんだけど


菜摘は「え!?」と声をあげた後千秋さんを上から下までじろじろ眺めた


「年上!?本当に!?見えなーい。ごめんなさい」


そう言って千秋さんに触れようとした菜摘をさり気なく千秋さんから遠ざけて、僕は苛立ちを悟られないように穏やかに問いかけた

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