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言葉で聞かせて

第6章 休息?


僕が今日何度目ともわからない溜息をついてから千秋さんと敦史のもとに戻ると、千秋さんは俯いて地面を見ていた


「?」


敦史と目が合う


ーー千秋さんどうかしたの?

ーーさぁな。お前待ってる間突然こうなっちまったんだ。理由はわかんねぇ


いや、まさか
期待するな

嫉妬なんてそんなわけないだろ


「千秋さん、お待たせしました。寒いので中に戻りましょう?」


一度僕を見上げた千秋さんはこくん、と頷いてから携帯を操作し始めた


何だ?


『あの人は、もういいんですか?』
「ええ。大丈夫です」


次に見せられた画面に映っていた文字に、心臓を握られた気持ちになった


『恋人なんじゃないんですか?』
「ぃ、いえ……違います」


どうして、そんなこと聞くんだ
思わせぶりな態度とって
まったく


こういう時誰にもバレずに作れる笑顔があるっていうのは得だと思う


「ただのお店のお客様ですよ。偶然外で会ったので驚きました」


千秋さんは納得したように笑顔に戻った


『僕、クラゲ見たいです』
「あそこの階段から下ると早いそうなので、行きましょうか」


僕たちが歩き始めると、後ろをそれまで黙っていた敦史が僕を小突いた

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