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歌 DE 小説

第1章 秘蜜 ~黒の誓い~

「天使様…一つ聞いてもよろしいですか?」
「どうぞ」
「何故、あんな場所で?」
シエルの傷を差しながらアリスが聞いた。
「ああ、天界からこの世界を見ていたら綺麗な花畑が見えたんで降りてきた時に、鳥の群れにぶつかってしまって…そのまま落ちてしまったんです」
恥ずかしそうにシエルが話した。
「まぁ…痛かったでしょうに…」
「あっ!!」
その時、シエルが突然何かを思い出した様に叫んだ。
「どうしました?」
「天使だけが持つ十字架と笛…失くしてしまったんです…」
「まぁ!!それは大変ですね…私、早速明日から探してきますわ」
まかせて、と言う様にアリスがギュッとシエルの手を握った。
「アリス…ありがとう」
そして、シエルもアリスの手を握り返す。
赦されぬ感情を募らせながら…

















「くそう…くそう!!…あの天使めっ!!」
廃屋でアエリアルは怒り狂っていた。
「俺の…俺の目を…」
アエリアルは鏡に自分の姿を映して、焼けて視力を殆ど失った目で見た。
「くそう…こんな事になるなら…こんな物…見つけるんじゃなかった…くそぉっ!!」
アエリアルは逃れない怒りを鏡にぶつけた。



【シエル】
そう書かれた天使の呼び笛を握り締めながら…

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