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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第13章 〜疾風、シュターム

シンシア本人からすれば、まだまだ慣らし運転なのだろうが


様々な態勢から動きを変化させていく流れはさすが中隊長といったところか


緩急織り交ぜた一連の動作はナオトから見ても非常に参考になるものだ



どうしてもシミュレーション機での直線的なイメージが、実機訓練でも抜けきれないものだ


だが戦場ではありとあらゆる状況に対応していかなければならない


シンシアの動きは舞うような美しさ

そして危なげな悲愴感がある



それに引き換えハンズィ隊長は質実剛健!


火力、スピードを主とした基本的な訓練だ


トリッキーな動きなどムダな動きだ!と言わんばかりの最小限の動作で訓練をこなしている



両極端な隊長ふたりは、そのまま部下に影響しているようだ


スタンダードで非が無い副長ラルフと


メリハリな動きを得意とするヴァイカート副長



中隊の個性は隊長が作り上げている


動きが似ているとシンシアから告げられたナオトとアンジェラも、

偶然かもしれないが第2隊に組み込まれて自然に感じる


実機訓練も終わり、最後にシミュレーションルームでの反省と調整を行い、本日の訓練は終了となった



ナオトも他のスタッフたちと共にミーティングに参加し、全体の意思を統一していった


このあたりのチームワークも地上ガード部隊とは異なった一体感だと気付かされる


管制塔スタッフ、パイロット、メカニックが同じ情報を共有していくのはなかなか出来ることではない



むしろ浮遊空母ならではの密閉空間がそれを可能としているのだろう


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