テキストサイズ

浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第13章 〜疾風、シュターム

翌日からはナオトも訓練に参加するようになった


この数日間、新型機チームの中では傍観者な立場であったが、シミュレーション訓練のデータ録りとして加わる


といってもシンシアやハンズィとは時間をずらして、邪魔にならないようひっそりと行われていた


少人数でのデータ録りになったので、ナオトは気が楽だった 


オペレータールームのリトケにハノーバー研究所のスタッフ、マットが加わり数回のデータ録りが行われた


最初の数回は基本動作のレクチャーで変形は無し



発進プロセス、加速プロセス

姿勢制御を経て、着艦プロセス


いくつかの項目に分けて、何回も繰り返す


確かにクラングやフリーゲンとは機動性が異なる印象だ


ひとことで言うと“軽快”な手応えだ


その分、加速や姿勢制御に違和感はある


ナオトは感覚を慣らしていきながら、操作の微調整をしていく


リトケからのオペレーションも有り、掴んでいくのは早かった



「コイツのデータなんか役に立ちますかねぇ?」


「聞こえてますよ!リトケさん」


「もちろん、今後量産された場合は隊長機だけでなく広く普及される事も想定していかないと…


ただ…


おそらく量産採用されるのはこの機体ではないでしょう」


「え?そうなの?」


「シュタームが駄目って事ではなく、こういうのは何回も検討を重ねて、初めて実になるって意味です

シュタームの次世代…、または数世代あとの機体が大量生産にこぎ着けたとき、

今のテストパターンが活かされるわけですから


シンシアさんの言われたようにフレームの問題もありますし、

小隊や中隊での運用を考えると個別の機体だけでなく、部隊全体での連携がとれるかも課題になるかと思われます……

突出した機能は、逆に運用しづらい意見もあります


現場での想定を考えると訓練生のデータは非常に参考になりますよ!」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ