浮遊空母~ぼくの冷たい翼~
第14章 シュメッターリングの舞
中東、アラビア海
アラビア海と紅海を結ぶバベルマンデブ海峡の沖合い
スエズ運河から抜け出た7隻の船団
その周りを哨戒船が護衛している
この時代、木星からのヘリウム3による熱核エネルギーに移管しているとはいえ、それはあくまで軍事関連が多くを占めている
民間では相変わらずの化石燃料を利用しており、生活インフラだけでなく、農業や山林業においては捨てきれないエネルギーとなっていた
安全航路の確保を現地ではない超大国が兼ねているのも、旧態依然とした化石燃料の依存の高さを示していた
その船団の上空から強襲する黒い影
ひとつの影はふたつ、みっつと増えていき、幾つもの飛翔体が取り囲み始めた
見たこともないフリューゲルシリーズ
それは蝶のように鮮やかで巨大な羽根を持っていた
これまでのフリューゲルの機体とは大きく異なったシルエット
シュメッターリング
まさしく「蝶」の姿をした機体であった
船団の護衛艦は砲撃を始めた
空母からはジェット戦闘機、軍用ヘリ、そして連邦軍海上部隊フリューゲルの汎用機“クラング”が次々と飛び立って迎撃態勢をとる
ドーーーン!
ドーーーン!
と響く轟音
シュメッターリング“蝶”たちはひるむことなく隊列を組み、船団の上空をくるくると旋回していく
まるで獲物を狙っているかのように
1機が隊列を離れ、円陣が崩れると他の機体もそれに続く
次々と襲いかかる“蝶”の群れ
機体から“粉”が放出される
数秒後
粉が次々と雷鳴していく
空が割れていく……!!!
アラビア海と紅海を結ぶバベルマンデブ海峡の沖合い
スエズ運河から抜け出た7隻の船団
その周りを哨戒船が護衛している
この時代、木星からのヘリウム3による熱核エネルギーに移管しているとはいえ、それはあくまで軍事関連が多くを占めている
民間では相変わらずの化石燃料を利用しており、生活インフラだけでなく、農業や山林業においては捨てきれないエネルギーとなっていた
安全航路の確保を現地ではない超大国が兼ねているのも、旧態依然とした化石燃料の依存の高さを示していた
その船団の上空から強襲する黒い影
ひとつの影はふたつ、みっつと増えていき、幾つもの飛翔体が取り囲み始めた
見たこともないフリューゲルシリーズ
それは蝶のように鮮やかで巨大な羽根を持っていた
これまでのフリューゲルの機体とは大きく異なったシルエット
シュメッターリング
まさしく「蝶」の姿をした機体であった
船団の護衛艦は砲撃を始めた
空母からはジェット戦闘機、軍用ヘリ、そして連邦軍海上部隊フリューゲルの汎用機“クラング”が次々と飛び立って迎撃態勢をとる
ドーーーン!
ドーーーン!
と響く轟音
シュメッターリング“蝶”たちはひるむことなく隊列を組み、船団の上空をくるくると旋回していく
まるで獲物を狙っているかのように
1機が隊列を離れ、円陣が崩れると他の機体もそれに続く
次々と襲いかかる“蝶”の群れ
機体から“粉”が放出される
数秒後
粉が次々と雷鳴していく
空が割れていく……!!!