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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第14章 シュメッターリングの舞

アリッサは妙齢の女性

華やかな顔立ちを崩さず、マイクから離れた


兵器会社アモルフィスのキャリアウーマンで
営業を越えたポジションを任されていた


正規ルートで企業連合“トランキュリティ”軍に武器を回しつつ、

裏のルートで民間の私設団体にも兵器を供給していた


アリッサの今の商売相手がグリメット家が興した“グリメット社”である



スティーブ・グリメットは英国のグリメット家の当主で田舎のいち貴族に過ぎなかった


一年戦争のあと、航空機の開発を行っていたハービック社と付き合いが深かったグリメット家だったが、ハービック社のアナハイム・エレクトロニクス社への吸収合併に伴い、ハービック社の競合企業であるウェリントン社とアモルフィス社の猛烈なアプローチ合戦が始まっていた


ハービック社は主に連邦軍のセイバーフイッシュや、コアファイターといった航空機を、

ウェリントン社は航空機からモビルスーツの開発へ移行させ大成功させている


そこに新進の航空兵器メーカー、アモルフィス社が参入してきた様相を呈している



グリメット家は貴族でありながらも輸送業、倉庫業と手広く商売を展開していたため、ハービック社との関係が深かった



そのハービック社が距離を取り始めた為、ウェリントン社もアモルフィス社もシェア拡大を狙っている


またグリメット家は私設軍隊を持っており、
戦闘機、モビルスーツまでも保有している大きな組織となっていた


自社の流通経路を護衛するのも、自社のガード組織である


その新型兵器をアモルフィス社のアリッサが絶賛プレゼンテーション中なのである



またグリメット家はガルダ級よりひとまわり小型の巨大航空母艦フェニックス級をも保有しており、当主スティーブ・グリメットはその母艦を“グリメット城”と呼んでいた……


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