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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第14章 シュメッターリングの舞

輸送船“グリメット城”はイエメン国、アデン湾から東へ移動


オマーン国を回り込みペルシャ湾沖合いの空にいた


またしてもペルシャ湾沖に停泊するいくつかのタンカーを沈める


石油を積んでいるように偽装しているが、それにしては武装が本格的だ



護衛艦空母から出てくるフリューゲル“クラング ”も軍隊仕様だ



スティーブ・グリメットは本作戦には参加せず母艦からの指揮をとっていた



実行部隊は例の少女たちだ



指揮といっても私室でガウン姿のまま、大型モニターでの観戦だ


傍らには薄い生地のみを羽織ったアリッサがまとわりつく



「見てよアリッサ! 指揮官が居なくてもこの通り! 彼女たちはよくやっているよ」



「ええ、本当に……、自分の役割を理解しているんですね……、誰の指示も得ず、誰かがリーダーシップを取るわけでなく…

不思議ですわ」




「そうだねぇ、機密事項だからあまり詳しくは言えないんだけど

彼女たちも立派なプロジェクトのピースだね

自分たちもよくわかってる

キミのとこが開発したのが“蝶”なら、

彼女たちは“蜂”だね

彼女たちは社会生活を営んでいるんだよ

働き蜂、兵隊蜂…、役割を理解しているんだ」



そう、彼女たちはビーネン!

ビーネンフォルク“蜜蜂群”だね!

そういう、私は養蜂家“イムカー”の役割になるんだよ!


今は色んな研究が成されているだろう?

フラナガンはジオニズムから派生したニュータイプ論を具現化したし、


オーガスタやムラサメは強化人間、


ビーネンフォルクも同じことだよ、いろんな場所で、いろんな研究がされている


ボクの手元にはたまたま彼女たちが集まったというわけさ」


たまたま……?


アリッサはこの貴族の若い男がうわべの軽薄さだけでは無さそうだと感じていた

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