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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第14章 シュメッターリングの舞

「しかし、よろしいのですかスティーブ様、このような……その…」


「このような、悪行だろう?

別にわたしは軍備を整えたいわけではないんですよ


そうですね、


利害が一致していると思っていただければ


単純明快かと思いますがね……


きっかけは親の代だったんです


一年戦争の、あの忌まわしき作戦「コロニー落とし」


南米ジャブロー……
連邦軍拠点への質量攻撃が、様々な要因で分割されて落ちたでしょう


オーストラリアのシドニー、

北米大陸カナダ周辺、

そして太平洋


大きくは3つに分かれたコロニーですが四散したコロニーのいくつかはヨーロッパにも甚大な被害をもたらしましてね


その大きなものがフランスにも落ちたんですよ


オーストラリアほどの規模では無かったのであまり大きく報じられなかったようですが


その復興にはイギリスの我社も恩恵がありましてね



しかし……破壊はダメです

ましてや戦争なんてもってのほか


ですが…、復興は素晴らしい


街がおこり、人が集まります


復興は我がグリメット家を堅強にします


そしてわたしの代になって最初に起こったのがアイルランド、ダブリンのコロニー落としです


しかも、どういうわけかアレは爆散もせず、

民間人も…、カラバの協力で規模の割に少ない被害で済みました


わたしは私財を投げ売って復興に協力しました!


そしてそれよりも大きな名誉や地位を得ることが出来ました


もちろんグリメット家もかつてないほどの繁栄です


戦争の二次利益なのは否めません


それはあなたがた兵器屋サンも同じでしょう?


我々は似た者同士ですよ」


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