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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第15章 ビルマ戦線〜シュターム対シュメッターリング

ドイツ、ハンブルグ



アルスター川をのぞむ北ドイツ最大の商業都市



東岸の旧市街と西岸の新市街に分かれ、多くの繁華街を持つ



連邦軍の工房が立ち並ぶ兵器の街でもある


連邦軍ドイツ基地では衝撃のニュースが基地の外まで広がっていた



“偽装船、攻撃される!”


商船のタンカーを装っていたが中身はハンブルグの工房から出港した兵器の数々だった


それも多くは連邦アジア空軍へ向けた補給の船団だ


キュール・シュランク


アジア空軍の浮遊空母への大補給船団だったのだ


大西洋から地中海へまわり、スエズ運河から紅海へ船団は進む


そしてインド洋からバングラデシュ〜ビルマ/ミャンマーから部隊へ受領する予定だった


船団は数十隻をグループ単位に分けて順に航海していたが、ともにテロリストと思われる襲撃を受けてしまった


情報は少なく、画像からも判別出来ない兵器だ


おそらく企業連合“トランキュリティ”の新型フリューゲル


その軍備を出資しているのは北米を拠点とする“アモルフィス社”であろうが、関連する情報は皆無だった



大きな部隊に投入された新兵器では無かろう、おそらく単発的な小さな拠点にまわされた機体だろうと推定された


後方の兵站を担っていたハンブルグの工房は大騒ぎとなっていた


そしてキュール・シュランクに兵站するのはハンブルグだけでなくさらに南のハノーヴァーも加わっていた


ビルマ/ミャンマーに舞台は戻る



「申し訳ありませんスティーブ様、取り逃がしました」


「いいよ、向こうも未確認機体だったね

被害が少なくて良かった

身体は大丈夫かい?」


「ええ、ただブリッツを受けてしまいました

手がやられました」


「よし、こちらで抱えるからスラスターを止めていいよ」



「ありがとうございます、しかしあの敵機凄まじいスピードでした

小型機というのもあるんでしょうが…」



「…そうだね、まるで、ブースターユニットでも付けてるような加速だね

そしてあのパイロット、判断が早いね


地元の軍じゃあ無さそうだけど、キュール・シュランクはまだタイのハズだしね

お互い新型同士、手の内は見せれない

今回はこれで正解だよ


さぁ、城に戻ろう」


シュメッターリングの群れは追撃せずインド洋へ戻って行った


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