テキストサイズ

浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第15章 ビルマ戦線〜シュターム対シュメッターリング

ハンブルグの港街の工房はキュール・シュランクに補填される筈だったフリューゲル“フリーゲン”を30機もまわしていた


そのすべてが届かなくなってしまった


何班かの船団に分けた偽装行動だったが、それらを狙われたということだ


兵站はハンブルグの工房だけではなかった


そらに南下した上流の都市ハノーヴァー


おもに上流特権の市民たちが多く暮らす行政区域のなかに軍直轄の施設「ハノーヴァー研究所」



新たに開発された実験機フリューゲル“シュターム”はここからまわされる別ルートだ


さらにキュール・シュランク側からも早急の納入を依頼されていたので、運良く船ではなく輸送航空機“ミデア・ノイ”による空輸となったため、その奇襲をまぬがれた


数機のミデア・ノイはアルメニアを抜けネパール越え、そしてビルマで合流することになった



タイから単独行動をとっていたシンシアとハンズィの両隊長は予定通りビルマの国境で合流できた


束の間の息抜き


シンシアは研究所職員の旧友と言葉を交わし、

ハンズィは相変わらず女性のメカニックマンに狙いを定めてメイク・ラブを楽しんでいた


新型機“シュターム”の引き継ぎ


そんなに重たい任務では無かった筈だった



のんびり過ごす予定だったがミデア・ノイのブリッジが慌ただしくなっている


カーゴスペースに居たシンシアはただならぬ雰囲気を察してブリッジに上がった


ストーリーメニュー

TOPTOPへ