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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第16章 ニューフェイス

この日は新人クルーたちが数名いたので訓練室は混んでいた


小隊での連携を中心に打ち合わせしていく


そのため待ち時間も多い


ハンズィ隊長、シンシア隊長、そして何故か試験的に組み込まれたナオトの3人は新型機シュタームのシステム訓練

それ以外は量産機フリーゲンでのシミレーション訓練だ



フリーゲンでの訓練が始まるとシンシアは部屋から出ていってしまった


ずっとスルーされてきたナオトは誤解を説こうと追いかけた


訓練室を出てすぐの休憩スペースには居ない


格納庫も、パイロットルーム、ブリーフィングルームにも居ない


では、あそこしかないな、とナオトは最上階に上がった


強化ガラスに覆われた温室


観葉植物たちが茂っている小さな小径


レクリエーションルームの中をクネクネさせながら抜けた展望デッキ


そこのドリンクの自販機の前にシンシアは居た


ナオトの姿を一瞥するが、言葉はかけてこない


自販機の前に立ち尽くしているものの、何かを飲んでいるようにはみえない


ナオトは黙って自販機に近づくとコーヒーをふたつ選び、そのひとつをシンシアに手渡した


シンシアの手はすぐには伸びてこなかったが、ナオトがさらに突き出してくるので仕方なく受け取った


ナオトは手渡したまま無言でリクライニングチェアのあるほうまで歩いていく


シンシアも後をついて歩きだした


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