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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第16章 ニューフェイス

シンシアは風呂上がりに再度ネットルームに立ち寄った


まだナオトとエッタが戦闘データを見ながら意見交換しているようだ


“少年クンはお勉強熱心なようで!”


エッタとイチャついているのはともかく、自由時間も仕事熱心なのは好感がもてる


シンシアは彼らから離れた場所を陣取り、簡単な業務連絡を済ませて部屋を出た



いちど自室に戻って少ない洗濯物を持ってランドリールームへ向かう


“そういえば以前ここでナオトとイヤフォンを分け合って音楽を聴いていたこともあったな……”


洗濯が終わるのを待つあいだ、ちょっと訓練室の様子を見に行く


まだ夕方の時間とあって、相変わらずたくさんのパイロットたちとオペレーターたちが騒いでいた


あと数時間は騒がしそうだ


シンシアは完全に諦めてランドリールームへ戻る


“音楽プレーヤーを持ってこれば良かったな”



ひとりの時間は苦ではない


いつものことだ


騒がしいやつも居ない


“まぁ……、そういう意味ではアイツは黙って隣で座っていることが多かったな……”


アイツ……ナオトは自然と自分の近くに居てるが、決してこちらの時間を邪魔しない



“ああ、だからヒト嫌いの自分が、いつもの自分のままで居られたんだな……”


ソニアに感化されたわけではないが、


気心許せる人間が近くに居てることはまんざら悪くないものなんだな、と感じていた……



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