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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第17章 プライベート・ルーム

シンシアは自室で目が覚めた


“ああ、ひさしぶりにぐっすり眠れた気がする”



風呂上がりで身体が火照っていたからかもしれない



結局、洗濯が終わって自室に戻り


ちょっと横になったつもりだったが、そのまま深い眠りについてしまっていた



ベッド脇のコンソールのデジタル時計を見る



あんなに眠ったのに、まだ11時か……


再び眠ろうにも、もう目が覚めきってしまい眠れそうになかった……



部屋から出る気にもならなかったが、考えた末ちょっと熱いコーヒーだけ飲みにいこうと上着を肩からかけた


スェットのようなルームウェアだけではさすがに気が引ける


自販機はいろんな場所に配置されてはいたが、仕事中の人間に遭いたくなかったので、少し遠いが温室のある最上階のフロアまで上がってみた



キュール・シュランクは超高度を浮遊しているので基本的にどこも寒い


だが最上階だけはさすがに熱が溜まるためなのか、比較的暖かい


エレベーターホールからぐねぐねと植物の小径を通り抜ける


天井の強化ガラスは満点の星空だ


小径沿いのソーラーライトがぼんやりと照らし、道筋を教えてくれる


森のような場所を抜けて、見通しがよくなる


広がった空間に出る


脇にある自販機まで近寄る


ふとリクライニングチェアに人影を見つけた


“珍しいな、私以外にここを利用するなんて”


気になって誰が居るのか覗いてみる


「……隊長?」



寝そべっているのはナオトだった…


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