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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第3章 ~同期生マリコ~

「そうだな…

ふつうはキミみたいに心の中に何かしらの“恐怖”を感じるだろう?

飛ぶ恐怖、

戦う恐怖、

砲撃をかいくぐる恐怖、

墜落する恐怖、

人が死ぬ恐怖…

俺だって鼓舞と恐怖の狭間で戦場にいてる

だがシンシアは…

“無”だな

冷酷とか、無神経とかじゃなく、マシーンのようだ

だからこそウチのエースパイロットを務めてるんだがな

まさに“戦いの女神”<ヴァレキューレ>ちゃんだよ」

ナオトは黙って聞いていた
ベースガード部隊でも突出した能力をもつ者は数名いた
操縦の熟練度とは違う
飛ぶ、舞う、放つ
すべてが“センス”感覚なのか

ナオトは数名の仲間たちを思い出しながら、それでも奪われていった命を、
戦場の過酷さを実感してしまった

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