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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第18章 フリーゲン・ユニット

パイロットルームに戻った3人はスーツを脱いで軽い談笑をしている


まわりにはこれから訓練に出るパイロットたちが準備していたり、担当メカニックと打ち合わせをしていたりと騒がしい


「ナオト、よく動いていたじゃないか」

「え?そうですか?

改良型の動きが早すぎて、とにかく標的にされないようにちょこまか動き回っていたんですけど」



「……そうだよ、ちょこまか動き過ぎなんだよナオトは!」


「いや、トビアスは直進し過ぎだ、動きを読まれてたら狙われやすいのはお前だ」


「そうですけど、でもせっかくの“F2”なんですからブースターを活用しないと」


ピーヴィーは“フリーゲンF2”の推進力を活かしたフォーマットを早く構築しないといけない気がしていた


「でも…やっぱり実機訓練はぜんぜん違いますね、体力が持たなかったです、それと集中力も…」



「いや、それにも増して以前より操作性が格段と上がっていたように見える」


「ハハハ、ケガばかりしてるんでシミレーションばかり毎日してましたからね」



新型機シュタームのシミレーションなのか、

シンシアの戦闘データ分析なのか、

ナオトの操作技術は何らかの影響を受けていたようだ

ナオトは自分では気付けなかった



一度シャワーを浴びて、制服に着替え

3人は訓練室でミーティングをする

そこには訓練室のオペレーターも加わって、第三者から見た意見も入り、業務連絡にまとめられる


ミーティングの内容はオペレーターから各隊長にまわされ、また個人個人の日報もそのタイミングで作成されていく


「お先っす!」


トビアスはさっさと日報を送信して席を立った


ピーヴィーはナオトを前にして、このようなあどけない少年が今後どのように成長していくのか、末恐ろしいものだと感じていた……


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