テキストサイズ

浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第18章 フリーゲン・ユニット

ナオトは深夜に目が覚めてしまった


身体が疲労感からとても重い


腹も減ってるが、立ち上がる気力もない


視線を変えると反対側の壁のベッドにシンシアが横たわっている


眠っているのかと思ったが、どうもこちらを見ている


「目が覚めたのかい?」


「え、ああ……スイマセン疲れてしまって……」



「かまわないよ、今はゆっくりするといい

説教は明日にする」



シンシアは笑みを浮かべていた


“なんだ、やさしい口調だなと思ったのに”


「こちらに来るかい?」


シンシアは毛布を開けた


ナオトの腕は鉛のようだ


「……今日はこちらに来てくれますか?」



疲労困憊なのは口にしなかった



「……キミなぁ……、上司を呼びつけるなんて…」


文句を言いながらもシンシアの表情は嬉しそうだ


今夜は疲れていそうだからそっとしておこうと思っていたので、傍には居られないなとあきらめていたからだ


シンシアは自分のベッドから毛布にくるまったまま抜け出してきた


ナオトは少し横にずれる


シンシアの身体は温かった


ゆうべは横に寝そべってたり、互いに背を向けたりしていたが、今日のナオトはなんとなくやさしいシンシアに甘えたかった


「もっとくっついてきてくれてもいいですよ、狭いでしょう」


ナオトは狭いのを言い訳にもっと身体を寄せ合いたかった


シンシアは文句も言わず横から抱きつくような姿勢をとる



「……なんか、恥ずかしいぞ!」



「いえ、このままでいてください……疲れが癒されます」


なんとなく二人はそれぞれに言い訳をしながらも触れ合いを求めてしまっている


理由が出来たのでシンシアは身体を密着させてくるのだった……


ストーリーメニュー

TOPTOPへ