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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第18章 フリーゲン・ユニット

その日の夕方


シミレーションルームや、実機訓練など様々なスタッフが目まぐるしく動き回っていた


格納庫近くのパイロットルームにはたまたま第2中隊のメンバーが揃っていた


シンシアは新型機シュタームの実機訓練で、ナオトはそのオペレーターを兼任するため管制塔に回っていて、そこには不在だった


中隊は副長のヴァイカートが仕切っている


そこへ第1中隊のハンズィと副長のラルフが次の実機訓練のためにパイロットルームへ入室してきた


「おい、お前ら! 先に聞いておくが何か問題はありそうか?」


「?」

「ヴァイカートがまとめてるのはいつもの事っすよ!」


「仕事の話しじゃねーよ!」


「……ああ、あっちの話し?」


「……“姫”ね」


「やりにくいようだったら聞いておくが?」


ハンズィは何となく第2中隊に探りを入れておこうとしていた


ヴァイカートはもちろん意味することはわかっていた


「俺は特に問題は無いと思います

もともと変わった上司なんで、驚きゃしませんよ」


いつも軽口を叩く若手のパイロット、トビアス・エドガイスも続く


「うちの姫様も人間なんだなぁ、て感心しますけどね」



さらにベテランパイロットのピーヴィー・レイジィからは

「それにナオトは隊長に感化されて凄まじく成長している、部隊としては好ましいようですよ」



意外とチームは上手くまわっているようだ


ラルフはカマをかけてみる

「なんだよ、お前ら良い子ぶりやがって

部隊にカップルが出来ちまったらやりにくくならねーのかよ?」


第2中隊の面々は顔を合わせて



笑った



「あんなのカップルでもねぇーよ!」

「お姫様と従者ってか!」

「誰もナオトがナイトとは思ってねぇよなぁ!」


中隊はアンジェラとヤンのカップルも居てたのであまり気にしてないようだ


ヴァイカートはフォローも兼ねて伝える

「…それに……シンシア隊長はもともと危なかしかったんだ

それがいまは結構安定して、落ち着いてる


なんならたまにドジ踏んでるくらいで丁度いいってもんですよ、やっこさんも人間なんだから

俺は副長は努めてますが、ナイトにも従者にも成れません

ナオトが来て、良かったと思ってますよ」


みなが頷いていた


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