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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第20章 重鋼クラング・グロウル

(3)

回転に振り落とされないよう必死にしがみつくナオトのフリーゲンF2


「な、なんなんだよッッ!コイツは!?」


すると接触回線で敵機のパイロットの声が伝わってきた


「ふふふ……、フハハハハハハッッ!!

非力な蚊トンボどもがッッ!

堕ちろ!堕ちろ!堕ちろォォッッ!」



高笑いする声はどう考えても甲高い声の少年!


“……男の子?……なんなんだ、一体!

コイツ、子供が操縦してるのか?!”


ナオトは困惑しながらも回転に吹き飛ばされないように食らいつく


片手を何かに握りながら、もう片方の腕で無作為に雷撃砲〈ブリッツダッシュ〉を乱れ撃ちする


“止まれ!止まってくれッッ!”



回転しながらも拡散ビーム砲を何度も放射するグロウル


射出を終えるとスリットから一瞬だけ放熱させる


プシッ!!


そして再び砲門に光りがみなぎっていく



近距離から攻撃を何度も仕掛けている青いシュターム、ハンズィ機が何かを合図している


“なんだ…? ”


ハンズィは少しだけ待機してろ!と合図を送っている


何か策があるようだ



中距離、遠距離からの弾幕は継続して集中砲火を浴びさせていくがあまり効果はない


また、しがみついているナオト機も貼り付いているので狙い撃ちしなければならない


だが、ハンズィは隙きを与えさせず、集中砲火を続けさせた



数回の拡散ビーム砲の照射があたり一面に広がる


そのたびに各機が散開して交わしていく


そして照射が終われば、再び集中砲火を繰り返している


何度目かの拡散ビーム砲のあと、


再び放熱が始まった



「今だァァァァーーーッッ!!!」


ハンズィは機体を反転させ、瞬時に主翼が展開

脚を生やして変形した!


ナオトにはグロウルのパイロットが動揺する声が聴こえた

「このチビ!変形するのかッッ!?」


シュタームは背面のロング・ライフルを手に取り、外付けタイプの雷撃砲と接続させると瞬時に砲口を放熱スリットに向けた!


ブリッツ・バスターランチャー!


凄まじい雷鳴!



バリバリバリバリッッ!!!!!



一条の光りの筋が一直線にスパークして突き進む


ちょうど、スリットから放熱される


プシーーッ!



「放熱させるって事は、中まで直結させただろうッッ!!」

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