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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第21章 エリュシオン〜幸福者の国〜

(1)

ナオトは真っ白の部屋の中にいた


あれ?

なんでここに居るんだっけ?



さっきまでなにしてた?



あたりを見回す



ただの白い壁の部屋



こんなにも視界がクリアだったっけ?



少しまぶしいくらいの中に居てるからなのかな?


いつもより自分の手がハッキリ見える…



前からこんなに視力良かったっけ?



周りがなにもかもまぶしい



こんなに白い部屋なんて今まで入ったことあったっけ?



学生時代の部屋はもっと狭く、ごちゃごちゃして、薄暗かった


窓からの光りが強すぎて、逆に部屋の中はいつも暗かった



軍隊〈ルフトヴァッフェ〉に入ってからも、こんなに綺麗な場所に入ったことないよな…


軍の基地はいつもホコリっぽくて、汚くて、そして薄暗い…



浮遊空母に配属されてからも節電されてたよな…


自室は8人部屋をひとりで使ってたけど、


やっぱり薄暗かったな…





あれ、なんか大事なことを忘れてる気がする…



ベッドが左右の壁に二対配置された2人部屋



ここはほとんど照明は落とされていて暗かった


ほとんど眠るだけの部屋



いつも薄暗い中で、



キミと抱き合ってた…




あれ?



この白い部屋はどこだ?



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