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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第22章 〜休暇〜

(1)

海の波の音がすぐ近くまで聴こえる


近くのビーチで子供たちのはしゃぐ声が聴こえる


ヨーロッパからの観光客のようだ


シンシアはビーチから少し奥まったマングローブの林の中にポツンとたたずむ一軒のバンガローに居た



木陰にリクライニングチェアがあり寝そべっている



水着のような生地の面積が少ない薄手のビキニブラが胸元から露出させ、腰には巻きスカート


肩は透けたパーカーを羽織って身体を陽射しから守っている


あまり肌は焼きたくない



それでなくても南国の陽射しはシンシアの白い肌にはツラいものがある



サングラス越しに覗くと屋外テーブルで現地人の少女リンがいそいそと食事の用意をしてくれている



隣のアンジェラは堂々と水着姿で寝そべっている


ポルノスターのような派手な容姿のアンジェラは同じ女性から見てもセックス・シンボルのかたまりだ


うらやましいとは思わないが、男はこの身体は好きだろうな



ティーンのような華奢な自分の身体なので

ひがんでいるかもしれない



リンがこちらに声をかける


食事だ


リンはバンガローの中に入っていく


車椅子のマリコがリンに押されて外に出てきた


マリコはリンにお礼を言う


皆で外で食べるランチは涼しげだ


林の木陰からは熱帯雨林の島にしては涼しい風が通り抜ける


シンシアもバンガローの中に入る



車椅子のナオトが窓越しに遠くの海を見ていた


「いい匂いがする…、食事できたようですね」



ナオトが振り返った



シンガポールの入院生活を送っていた4人は結託して強引に医者を説得し、


セントジョーンズ島まで足を運び

バンガローを借りていた




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