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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第22章 〜休暇〜

(5)

翌朝、ナオトはひとり早く目が覚めてしまった


あれだけ遅くまで話し込んでいたのにな…


見回すと3人の女性が自分のまわりに寝そべっている



ナオトは皆んなを起こさないようにゆっくりベッドから下りて、バンガローまわりを散策する



小さな島だが、こんなに周囲を歩くのは初めてだ


とりあえず島に来たときに通った船着き場のほうへ向かってみる


まだ早いのであたりは閑散としている



まるで島を独り占めしているような気分になる



船着き場で座っているとシンシアがやって来た


「おはよう、どうしたんだこんなところまで…」


「おはようございます…シア…あ、隊長」



「ふふ……もうシアのままでいいよ」


「いやあ、せっかく綺麗な島に来ているのにボク、バンガロー周りしか居てなかったから」



「そうだな……あんまりムリするな

キミは一度心拍停止したんだからな…」


シンシアはまたナオトが居なくなる恐怖を思い出す


船着き場の反対方向まで足をのばす



何故かあたりにノラ猫が集まっている


すると長い橋が海の上まで続いている



隣のラザルス島へは橋で繋がっている


ラザルス島も無人島だ



二人で橋を渡る


誰も居ない



波の音だけだ



いつもより少し涼しいのは、少し雲が出てきたからか


ラザルス島のビーチも美しい青い海だ



木陰をみつけて少し座って休んでいく



突如、激しいスコールが降ってきた



二人は木の下で雨宿りをした



寄り添う二人



二人は自然に……


初めてのくちづけを交わした…


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