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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第23章 ベトナム編〜サァシャの罪〜

(6)


思い出の路地を歩いたその日の夜


サァシャはグエンに抱かれた


窓を開け、扇風機だけの部屋に


ギシギシときしむ音だけが聞こえる



ハッ、ハッ、ハッ、とふたりの荒い息づかいだけが聞こえる



“何か月ぶりだろう…”



サァシャは久しぶりの行為だったが、あまり楽しめていなかった


後ろめたさ



抱かれながらも、脳裏をよぎるのは若かりし頃のクーの姿



グエンには申し訳ないが、いま自分はクーとセックスしている気分に浸っている




自分はふしだらなんだろうか



職場が変わって、懐かしい場所を歩き、当時の彼との情事を思い出されてしまう……


身体を貫かれ、胸を掴まれ、クーが私を求めてくれている!



サァシャはグエンに抱かれながら、クーとセックスしていた



動きはだんだん激しくなり、呼吸が出来ないほどの激しい動き



久しぶりのセックスが終わり、グエンはイビキをかき眠った


そしてサァシャは自分のベッドに戻ると、クーとの余韻に浸りながら自分の指でまだまだほてったままの身体を鎮めようとしていた



クー!



サァシャはクーを求めてしまっていた…



どうすることも出来ない思い出の彼に



もう一度、会いたい……!



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