テキストサイズ

浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第24章 ベトナム編〜半面の怪人〜

(7)

「可愛そうなクー、連邦軍に利用され


哀れな実験体に身を落としても、


まだ連邦に肩入れするとは……


いつ肉体が崩壊してもおかしくない状況なのに」




アースラは憐れみの表情を見せるが、それか本心なのかどうか、ケロイドの跡で表情が読み取れない




「裏切り者のアースラ、アンタに同情する余裕はオレには無いぞ

それにオレはアンタのように絶望もしちゃあいないし、未来にムリな期待もしてはいない


トランキュリティに寝返っても、アンタはそこで利用されるだけだ」



クーの言葉にアースラは睨みつける



「黙れ!」


アースラはまばゆい光を放つ!


ブラスター銃を乱射する!




威嚇射撃にしては近すぎる



だが、クーは身をかわすこともなく、崩れ落ちて横たわっているサァシャの身体を抱き上げる



まるで威嚇など意味が無いぞ、とでも言いたげだ



その証拠に全裸のまま立ちつくす彼の身体にはカスリキズひとつ付いていない


まるで何か見えない壁に護られているように……



クーはサァシャを抱きかかえながら、再びアースラに対峙する




「長年の決着をつけよう、しょせんオレたちはマシーンと同じだ!なら、マシーンでカタをつけてやる」



周りが地響きを立て始める



クーの足元の床が盛り上がって、裂けていく!



やがて




その床からは巨大な手のひらが出現し、クーとサァシャの身体を拾いあげていく!




「く…、目覚めさせてしまったか……、悪魔のマシーンめッ!」




地下空間は次々と崩れ落ちていく


クーの背後に控えていた巨人の「顔」



その全身が狭い空間を破壊していった!



「サイコ・クラング」




呪われた悪魔のマシーン!



ストーリーメニュー

TOPTOPへ