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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第24章 ベトナム編〜半面の怪人〜

(9)

崩壊していく地下空間


“サイコ・クラング”は周りに光を照射しながらゆっくりと起き出す



光は徐々に上方向へ集約されていき…



一気にスパークした!



バシュッッ!!




市街地の地下から上空に向けて、一本の光筋が伸びる



街の住民はあの光が何かわからない、だが何かが起ころうとしていることは察知できた



パニック!





道路のバイク群は秩序なく群れを成して走っていく



ところどころでは衝突、追突、事故!




また至るところで煙が何本も上がっている



爆発!




火事!



街は大混乱となった!




住民の何人かが振り返って空を見つめている



それに気づいた住民がまた振り返る




皆が見つめる中



市街地の一角から、巨大な建造物が浮き上がっていく



紫色の禍々しい物体




邪悪な存在だと、直感的に誰もが思う




“サイコ・クラング”は角張った形状の“移動要塞”モードでゆっくりと空へ舞い上がっていく



巨大なビルのような物体はベトナムの市街地を浮遊すると、ゆっくり海の方へ移動していった




上空で待ち構えていたのはトランキュリティ、グールの部隊のフリューゲルたち!



量産クラング・ハイノートの群れがサイコ・クラングに一斉射撃を始める!




それまで抵抗していた連邦軍は新たなる標的が敵なのか、味方機なのか認識出来ずに躊躇していた



連邦軍の地上部隊は戦車も、駐留する量産モビルスーツも行動許可が得られず、ビルの陰にかくれていった



わかることはそれまで敵対していたトランキュリティ軍が自分たちを無視して、あの紫色の浮遊物へ攻撃目標を切り替えたことだけだ



敵の敵は味方なのか?



それとも第3の勢力なのか




そして、


サイコ・クラングは港に出ると変形して巨人の姿になっていった!


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