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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第24章 ベトナム編〜半面の怪人〜

(13)

綿密に計算された脱走計画



数々の機密データとともに寝返らんとするアースラたちの前に立ちはだかったのも、やはりクーだった……



激戦の末、アースラ一門の一部の裏切り将校たちは命からがら霧散させてしまったが



アースラはそのとき、重篤な怪我をおってしまう



逃走劇のさなか、クーの砲撃は逃げ去ろうとするアースラの半身を焼いてしまった


爆風にあおられたアースラは数メートルも吹き飛ばされ、さらに高温に熱っせられた鉄の鋼材に半身を打ち付ける



「ぎゃぁぁぁぁっっ!!!」


じゅうううっ、と焼けていく我が身!




悶絶するアースラ



肉感的で豊満な美貌を見せつけていたアースラだったが、クーとの戦闘により醜い半身の怪人となってしまったのだった……



それだけに……




今回のベトナム戦線でのサイコ・クラングの陥落は永年の願いが叶った瞬間だったのだ!





アースラは最後の勧告をするためサイコ・クラングに通信を試みた




「連邦に利用され、使い捨ての道具にされてしまった可愛そうなクー


呪いの実験の犠牲者クー


悪いことは言わない、今からでも私とともに来い!


お前の価値を正しく評価してくれる場所がこちらには有るのだよ!クー!


昔のように、ともに歩もう!」



ここにきての説得……


アースラはクーとの邂逅を求めていた



それは軍の作戦とは無関係の、




個人的な想いでもあった……


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