浮遊空母~ぼくの冷たい翼~
第25章 〜哀しみのニック〜
(5)
それから数時間後
夜もふけたスティーブ邸
ひとり座っていたスティーブの書斎に軽いノックが響く
「どうぞ」
入ってきたのは妙齢の女性、アリッサだ
一礼して中へ進んでいく
「お母様たちは帰られたのですか?」
「ええ、クギだけを刺してすぐに帰られましたよ」
「我が社との結びつきを心良く思われていないのは存じ上げております…」
アリッサは深々と頭を下げる
新鋭のアモルフィス社に大企業の当主スティーブ個人が肩入れしているように見られるのは仕方がない
それも兵器企業に強く結び付くことは、護衛レベルの付き合いではなく、軍備増強と世間から反感を買うかもしれない
義母はグリメット家、またグリメット社が悪く注目される事を懸念しているのだ
現にスティーブの部隊は護衛レベルを越えて、中近東やビルマにおいて自ら戦線を拡大させている
すでにグリメット社は軍備増強の方向へ向かっているのだ
スティーブは気にもしていないようで、手をヒラヒラさせて“気にしないで”とジェスチャーをした
「身内からの納得を得られないのは残念ですが、いま手を引いてしまえば今後の経路確保にも問題を生じます
予定通り進めますよ!
それに新しい情報も来ています!
キュール・シュランクを追い詰めます!」
スティーブ・グリメットはニヤリと口角を上げた……
それから数時間後
夜もふけたスティーブ邸
ひとり座っていたスティーブの書斎に軽いノックが響く
「どうぞ」
入ってきたのは妙齢の女性、アリッサだ
一礼して中へ進んでいく
「お母様たちは帰られたのですか?」
「ええ、クギだけを刺してすぐに帰られましたよ」
「我が社との結びつきを心良く思われていないのは存じ上げております…」
アリッサは深々と頭を下げる
新鋭のアモルフィス社に大企業の当主スティーブ個人が肩入れしているように見られるのは仕方がない
それも兵器企業に強く結び付くことは、護衛レベルの付き合いではなく、軍備増強と世間から反感を買うかもしれない
義母はグリメット家、またグリメット社が悪く注目される事を懸念しているのだ
現にスティーブの部隊は護衛レベルを越えて、中近東やビルマにおいて自ら戦線を拡大させている
すでにグリメット社は軍備増強の方向へ向かっているのだ
スティーブは気にもしていないようで、手をヒラヒラさせて“気にしないで”とジェスチャーをした
「身内からの納得を得られないのは残念ですが、いま手を引いてしまえば今後の経路確保にも問題を生じます
予定通り進めますよ!
それに新しい情報も来ています!
キュール・シュランクを追い詰めます!」
スティーブ・グリメットはニヤリと口角を上げた……