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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第25章 〜哀しみのニック〜

(6)

「新しい情報というのは、例の工場ですか?」


アリッサは確認しておく

ある程度の情報は会社のほうから聞いてはいるのだが……




「連邦軍の工場は世界各地に有りますし、アナハイム下のハービック社やウェリントン社など民間の大手企業も入れると市場規模は大きいものです

そこは良いんですが…

連邦のアクセプト軍のように広範囲のエリアを監視、抑制してしまう強力な部隊は、我々の商売と何度も衝突しがちです

なんなら、大きな壁、障害となっています

アリッサさんたち民間の企業連合…トランキュリティの軍隊だけでは、自由で健全な商売が難しいのが現状です


それでなくても月のアナハイム社一社の独占状態ではなおさらです


ダイクンの息子が地球圏の解放を唱えているようですが、呪縛させているのは連邦軍とアナハイム一社のみです


地球の民間企業は健全ですよ


そのためにも連邦軍の一角、キュール・シュランクの部隊は戦力を削ぎ落としておかないといけません


彼らの兵站がドイツの工場というのもわかっています


おそらくアリッサさんたちアモルファス社の下請け…

ガーディアン社が大きく関わっているようです


親に代わって取って食おうとしているかのようですね


ウェリントン社のように民間のまま連邦軍の下請け企業になろうとしています


そこまでわかっていても企業連合の内紛はなかなか動けないでしょう?

そこでトランキュリティの外部である私が動けば話しはスムーズです

あとは適当な理由を付けてガーディアン社を私が弱体化させればお互いウィンウィンです!


次の標的はドイツの工場です!

キュール・シュランクの外堀を埋めてやりますよ!」



グリメット家の若き当主はまだまだ熱を持っているようだ

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