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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第25章 〜哀しみのニック〜

(8)

ターヤたち3機の増援チームが北の港街ハノーバーに到着したとき、思ったより戦火は大きくなかった


もっと街全体が戦場になっているかと想定していた


“ウチの工場だけがピンポイントで狙われてるじゃないかッ!?”


ハノーバー工場のガード部隊“フリーゲン”数機は今も上空で戦闘をしている


地上は連邦の駐屯軍のモビルスーツが護衛しているようだが、一方的な攻撃のように思えた


やはり地球の重力下ではモビルスーツの運用は狙い撃ちされるだけだ


空では航空機動兵器フリューゲルのほうが格段に優位性がある


高出力のモビルアーマーならそのデメリットも解消できようが、あまりにもコストが合わず大量生産、そしてパイロットの育成には向かなかった



敵の未確認は航空機のシルエットを持たない異形のフォルム


背中から羽根を持ったような未知の機体


「なんなのよ、あの機体ッ!」


シュメッターリングを初めて見たターヤはどう対処したら良いのかわからない



ハノーバー工場のガード部隊との交戦を一瞥すると、交差するたびにダメージを受けているように見えた


「…何か…撒いてる??」

バリバリバリッッ!!



雷粉“プーダー”が空を割るように周囲の敵を粉砕していった!


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