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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第25章 〜哀しみのニック〜

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はるか上空の中級輸送機フェニックス級“グリメット城”


司令室ではスティーブとアリッサが大型モニターを眺めていた



「まさか……初見で1機撃墜されたッ?」



アリッサは自社のシュメッターリングが撃墜されたことが信じられなかった



スティーブも苦虫を噛み締めている



「あの新型機、なかなかやりますね…

量産機とはスピードが違いすぎる


それにあのパイロット…

即座に“プーダー”を交わしていました

参戦する前に外から見ていたようですね…」



「スティーブ様、当初の目的は果たせました

ハノーバーの工場は壊滅的です、彼女たちを引き上げさせますか?」



アリッサの問いかけに少し考えているスティーブ



機体の損失はともかく、パイロットの損失はスティーブにとっても心を痛めた



「……いや、もう少し様子を見ましょう

敵の新型機を見るチャンスでもあります!

おそらくビルマで交戦した機体と同じ種類のようです、もしかしたら次期の量産機になるのかもしれませんしね!」


大型モニターには雲の中から飛び出した“プロトタイプ・シュターム”の姿が克明に映っていた…


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