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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第25章 〜哀しみのニック〜

(12)

「ちッ!」

舌打ちするターヤ


もう雷粉をかわせない!



“プロトタイプ・シュターム”に降り注ぐ!



その瞬間!



機体の翼を変形させ、後方へ伸ばすと脚のようになった!



アリッサとスティーブもモニター越しに驚愕する



「変形したッ!?」



モビルスーツにしては貧相なヒューマノイド形態だが、瞬時に勢いを制御できる


さらに向きを変え、ヒューマノイド形態から再びフリューゲル航空形態へ戻る

一瞬で方向変換した!

空中で逆さまになる!

頭は下

下半身のノズルは上へ向き、雷粉の方向!




ズバァッッッ!!




ノズルが噴射する!



雷粉は上方へ舞い戻った!




シュメッターリングは自分が撒いた雷粉を自分で浴びてしまう!



すでに“雷撃”のトリガーは引かれていた




「ギャアアアッッッ!!!!」



パイロットの断末魔!



“プロトタイプ・シュターム”はそのまま下方へ急降下して、その場を離れた



「危なかった……、シュタームの変形機能が無ければまともに食らっていたわ……」



ターヤは無惨にも落ちていく敵機を見ながら、

もしかしたら本来あのように落ちていったのは自分だったかもしれない、と血の気が引いた……



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