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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第26章 〜電子戦争〜

(12)

3人に緊張が走るが、時間も無い


続けてナオトがメッセージを送る


「久しぶりだね、今もカリマンタンに居るのかい?」




返事はすぐにきた



「ちがうよーーー!今はお空の上ーー!タイクツなんだーー!何にも無いし、昼間はジッケンばっかりなんだよーー!!」



ナオトの指が震える




あんな小さな子どもが、兵器のパイロットなんてとても信じられない……


“空の上”というのは、きっと浮遊岩石“マグリット”のことだろう


トランキュリティ軍の移動基地、そこに居てると言うのであれば、やはり彼女は軍属のパイロットなのだろうか



そしてシンシアとアンジェラの顔も強ばっている



今、この瞬間



どこかの空の上で



あの忌まわしき封印されたはずの“エターナル計画”が、どこかの空の上で継続されているのだ



知りたいことはたくさんある



しかし時間は限られていた



ゲームセンターだけでなく、フロア全体が封鎖されてしまう



軍の特殊捜査を示して管理人に協力依頼も出来なくは無いが……



「ボクはもうカリマンタン島から離れたよ、またどこかで会いたいね」



ナオトは一旦やりとりを打ち切ろうと、当たり障りのない言葉を投げかけた



しかし




帰ってきたメッセージは一同をさらに固まらせてしまうのだった



「知ってるよーー!シンガポールに居るんでしょーー!でもね、次会ったときは撃ち落としちゃうよーー!」




3人は言葉が出なかった




こちらの動きが知られている……




さらに、敵対していることも認識している様子




ゲームとはいえ、かなり実戦に基づいた内容のトップランカーがいつか目の前に現れるということだ



余暇を満喫していた3人だったが、戦場に戻るときが差し迫っていることを感じていた



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