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浮遊空母~ぼくの冷たい翼~

第27章 インド編①シンガポール非公式会議

(4)

ソニアは帰還してすぐにパイロットスーツを脱ぎ捨て、シャワールームへ飛び込んだ


戦闘が何度も続くと嫌な汗が全身から噴き出す



自分の体臭とは言え、それがたまらなかった



緊張感から噴き出す汗は日光浴の汗と異なっているんだろうか


とにかく母船にたどり着くまで、シャワーを浴びたくてたまらなかった



女性用のロッカールームの奥にあるシャワールームは小さな扉だけで区分けされた程度の簡易的な仕切りだけだ


プライバシーなんてものは軍隊には求められていない


隣でシャワーを浴びていた同僚のクルーから冷やかしが入る


「あら、ソニア!あいかわらずでっかいの揺らしてるなぁ〜!」



「ほんとに、汗がたまってイヤになるよ!それにしても何なの?この出撃回数はッ!?」


「例の非公式会議が始まろうとしているから、いろんな企業のデモンストレーション合戦が始まっているのよ」


「勘弁して欲しいわぁ!それでなくても敵だらけの空域だってのにさっ!空域を監視する側の立場になって欲しいわよ」


「仕方ないでしょ!ブツブツ文句言っても変わらないわよ!考え方を変えなさいソニア!世界中からいいイイオトコが集まってきてるって思えばいいのよ!アンタのそのおっきなテイットちゃんを狙ってね!」


「……そんなくだらない考え方には到底思いつかない、サリーは天才ね」


二人はシャワーを出てロッカールームのベンチで雑談をかわし続けていた



ソニアにとっては緊張がほぐれるいい気分転換になっただろう



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